~世界トップ10・日本トップ3の観光県を目指す!研究プロジェクト参加レポート~
7月某日、「世界トップ10・日本トップ3の観光県を目指す!」という研究プロジェクトに参加しました。
今回の講師は、地域再生プロデューサーとしても活躍されている樫野孝人氏。情熱的でユーモアのある語り口に引き込まれながら、地域の価値をどう見つけ、どう磨くかという本質的な着想・事構造のヒントをじっくりと伺いました。
とくに印象的だったのは、富山県が「すしの県」として1位を獲得しようとするブランディング事例。私の中で富山といえば・・・まずチューリップの球根、そして冬の日本海の幸。
母が存命だった時、お正月に毎年食べていた“ます寿司”や“柿の葉寿司”も確かに富山県。なるほど~お寿司の富山県を目指すのも納得。
つまり富山は、もともと存在する“寿司文化”をうまく観光資源として再編集し、「寿司といえば富山」というポジションを取ろうとしているのです。これは、新しいものを無理に作るのではなく、“すでにあるもの”を見つけて磨き直すという、非常にスマートで本質的な戦略。
この記事を書きながら、なぜ我が家では毎年ます寿司を取り寄せていたのか…美味しいし、高齢の母でも私でも食べやすい、柿の葉、笹のような緑の葉っぱバラン?!で包んであって昔ながらの伝統も感じ、お正月にふさわしいと私の一存で取り寄せておりました。
広島のブランディング戦略の変化
研究会では、「2025年 夏休みに行きたい場所ランキング」が紹介されました。広島は“第一想起グループ”に入っているか?
15県の中に広島県はランクインしていませんでした。><
あれだけ有名な「平和記念公園」や「宮島」、「お好み焼き」や「もみじ饅頭」などがあっても、それは夏休みじゃないのよね。“夏休みに行きたい”とは思われていないのだという現実に、個人的に納得するかも。
でも、15年かけたブランディングで、2025年の広島へのイメージは、レモン、瀬戸内、海といったものがありそうなのにね!まだまだ💦。
現代は、SNSやスマホの中で無数の情報が流れてくる時代。
人は「最初に思い浮かんだもの」「人気があるもの」に自然と引き寄せられます。だからこそ、“第一想起グループ”に入ることが何よりも重要なんですね。
そして一度でも訪れた人が「よかった」「また行きたい」と思えば、リピーターになってくれる。そのためには、目立つだけではなく、“また来たくなる深さ”も必要だと思います。それはきっと人のおもてなしのハート💓とか、安全、お得感。
広島のブランディング:赤から青へ、そしてその先に何か未知なる広島が。
広島には、かつて「赤」の強いイメージがあり、カープの赤、仁義なき戦いの熱さ、がむしゃらで真っ直ぐなイメージが強かったのですが・・・
その後、講師の樫野さんが県のブランディング施策に関わってから少しずつ変化が生まれます。
「しまなみ海道」「瀬戸内の海」「レモン」など、自然や爽やかさを象徴する“青”のイメージが前面に出てきたのです。
私はこの“赤から青への転換”は、とても象徴的だったと感じて、思い返せば納得!といった感じで興味深く話を伺いました。
情熱の“赤”から、穏やかで涼やかな“青”へ。
ブランディングはまさに「色」を変えることでもあり、
その色が、県の魅力の受け取られ方を変えていくのだと。
ただ、私自身の個人的な考えは、海ばかりに頼るのではなく、内陸部の資源や季節の魅力(秋とか冬)にも目を向けるべきではないか──
これから必要なのは「秋冬広島」の再発見
広島といえば、春のフラワー、夏の印象が強い。でも、それだけじゃない。たとえば、世羅の花畑、庄原の雪景色、芸北の神楽や鍋文化。
秋冬だからこそ感じられる、静かであたたかい広島の風景がたくさんあります。
“花火とビーチの夏”だけでなく、
“霧と神楽と熱燗の冬”もまた、日本の三大名酒の広島ですから魅力的な旅になるのです。
観光とは「イベントに行くこと」ではなく、
「その土地の季節や暮らしに触れること」だと、私は思っています。
おしい!広島、有吉さん起用の裏にあったもの
かつて話題になった「おしい!広島県」のキャンペーン。
私は最初、「これはギャグ?」「美味しいとかけてる?」とベッドの上で初めて見て戸惑いました。
でも実は、あのプロモーションにも深い戦略がありました。
当時Twitterで影響力のあった有吉弘行さんを起用したのは、拡散力と認知効果を狙ったから。聞いてびっくりのフォロワー数。
話題を作るのはもちろん、「誰が語るか」も含めての重要なターゲット設計だったのです。@@
さらに驚いたのは、タレント任せではなく、広島県の職員たちが当事者として広報に取り組んでいたこと。
熱をもって、自分ごととして観光戦略を動かしていた!これは強みだと思いました。
確かに私も広島県の広報大使。申し込めば誰でもなれて名刺まで送られてくる仕組みに応募しています!ずいぶん昔だけど。
今考えると私の思いも強かったし、巻き込まれちゃってるから今回も「世界トップ10トップ3のプロジェクトにも応募」したんだよね。きっと笑。広島県、なかなかその気にさせるのがうまい!熱い広島🔥
私が考える、これからの広島観光
私は今、「みんなが主催者になる」ような新しい観光のカタチを考えています。
たとえば、“妄想フラワーフェスティバル”。
子どもも、高齢者も、障害のある人も、遠方に住む人も。
誰もがそれぞれの場所から花フェスで関われるような、参加型の仕組み。
観光×福祉(高齢者の活躍・躍進)
高齢者を単なる「支援対象」ではなく「社会の資産」として活用する発想転換が必要です。シニアの生きがい、技術や技の伝統継承などを通して目覚めさせなくては〜なんてね😊 とにかく労働者人口が減るし、高齢者も働けるうちは働き、余裕と健康増進のために「お出かけ」で地域の経済活性に貢献。
観光とは「見に行く」ものではなく、「関わる」ことへ。
誰かが作ってくれたものを楽しむ時代から、
自分も当事者となってもてなすとか、自分が関わる旅・表現する旅が、これからの主流になっていく気がします。
次回の講座は、8月7日。観光施策の共有と、クリエイティブ発想のワークです。
そこでまた、新しいヒントが生まれたら嬉しいなと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
西本理恵