電動車いすを利用中の人が、海外旅行することも増えています。
電動車いす利用者で私のような重度障害の場合は、介護ヘルパー※も一緒に旅をすれば海外旅行できます。
※障害自立支援の移動支援の制度も利用できます。
ソウルまで1時間半。近くても国外です。
海外となると、出国、韓国のバリアフリー事情、言葉のこと、充電器・電圧のことが気になり不安で思いきれない人が多いのではないかと。
実は私もそうでした!
海外どころか、電動車いすで家から外に出るのも怖くて…
酷い『ひきこもり』だったのです。
国内旅行はするけれど・・・
海外はまだ!という方の後押しやヒントになれば嬉しいです。
電動車いす利用者でも障害程度や状況は千差万別、
また、初めての海外、旅慣れた電動車いす旅行のノウハウは違ってくると思いますが、
「Rie流ソウル旅行@電動車いす」を紹介します。
私は自分でできることが僅かな重度障害者ですが、外泊できるようになると海外旅行もオッケイ(*^^)v
生きる喜びが増え、自信もつきます。
電動車いすのバッテリー種類がカギ
航空機に搭載する荷物は、厳重にチェックされます。
最近では、便利なリチューム電池・バッテリーが航空輸送では危険なため、取り扱いが厳しく制限されていることをご存知でしょうか。
私は携帯を海外に送ろうとしてダメだと初めて知りました。
身近な便利なものが電池のせいで『飛行機』搭載に制限がかかっているなんて〜
バッテリーの種類を知ろう
電動車いす利用者は、自分の電動バッテリーが、ドライバッテリーかどうかメーカーHPを確認してみてください。
ドライバッテリーであれば問題ありません。
バッテリーのことは、航空会社・旅行会社に必ず聞かれる最重要事項です。
電動車いすをチェンジするとき、海外旅行も可能なバッテリー装備を。
「いつか海外…」という視点を入れると一つハードルが減っていいですね。
電動車いすを航空機搭載する場合、日本出発は言葉が通じて問題ないのですが、帰国便だと海外の空港メカニックの人が『安全重視』で触られることが多いです。
機内持ち込み液体は100ミリ以下
ペットボトルは、保安検査場で没収されますが、そこを過ぎて「出国手続き」を済ませれば、売店で水などのペットボトルを購入して機内持ち込みすることができます。
初めての海外旅行だと、水分補給のことが少し不安…と思うかもしれません。
【同行者・ヘルパーさんも注意してくださいね】
「2泊3日、小分けボトルも面倒だわ〜荷物は1つだけ。シャンプーボトル持って行こう」
リュックやカバンに前夜入れたことを忘れると…大変なことになります。
①荷物X線チェック
②チェックインカウンター(スーツケース)
⓷機内持ち込み荷物 ボディX線チェック
④出国イミグレーション
⑤搭乗ゲート
電動車いす利用者が保安検査を済ませ、出国手続きと進んでいるとき、家族や同行者が⓷機内持ち込み荷物 ボディX線チェックの化粧品・シャンプーで止められた場合、2つ選択肢があります。
A破棄
B破棄出来ない場合は、②チェックインカウンター(スーツケース)まで戻って搭乗券と預けた荷物半券を提示してチェックイン鞄に預け直しとなります。
空港が混雑、搭乗時間がせまっている・・・こんな時は焦りますよね。
初めての海外旅行の人は、独りでチェックインカウンターに戻ることは不安で行動できないかもしれません。
私も同行者2名でソウルへ行った時、初海外の一人が「シャンプー化粧品」で引っ掛かったらしく、私一人がパスポート提示の出国審査エリアで15分間くらいジーっと待った経験があります。
【対策】
最初に荷物を預ける時に大きなシャンプーや化粧品は同行メンバーのチェックインカバンに入れて一緒に預けること。
20㎝×20㎝のジップロック(1リットル)に入るもの
それ以外はチェックイン時にバッグに入れて預ける。
刃物 フォークナイフ
私はマイカトラリー(ナイフ・フォーク)をヘルパーさんが刻み食にしてくださるので外出する時はバッグに入れています。
ソウルで食事をして帰国する際、ついマイカトラリー(ナイフ・フォーク)を出すことを忘れ、機内持ち込みバッグに入ったまま検査を受け・・・
「ブーブー」
何度かチェックインバッグに預け直したことがあります。
没収箱に捨てられるポーズをされ「やめて〜〜」と叫びまくり制止( ゚Д゚)
今は使用されない機内用ステンレスミートナイフ(切れ味抜群)
コペンハーゲンで若い頃買ったジョージジェンセンのフォーク(グリップ補助具にはめられ重さが安定感バツグン)
同じものを今では買えないから宝石より何よりも大事☆彡
ライター 一人1個
機内持ち込みバッグの中にライターはダメ、預けるチェックインカバンもダメで、ポケットなど身に着けるのはOK
航空券予約は直ぐ座れるビジネスクラス
「えっビジネスクラス?」
と、思うかもしれません。介護が必要な場合、自分の車椅子から狭い機内用通路を通る『アイルチェア』に乗り換えます。
ビジネスクラスは、飛行機に乗って直ぐの座席なので近くて便利。
ポイント
身体機能低下・重度障害で要介護5でも海外旅行は工夫と知恵・必要ならお金払って解決すれば可能になることも多いです。
既成概念や常識は取っ払うことがポイント。
私の左足は膝が曲がらず伸びていますので、ビジネス座席しか乗れないのです。!(^^)!
航空券はマイレージでただ!早めに予約すれば希望座席
8万円のビジネス航空券をアシアナカード(ANA/JALカードなど航空会社カード)マイレージを使って無料にしています。
ホテルの食事、ネットお買い物など、口座引き落としにすれば結構貯まるものです。
それと、同行者も介助が必要なら同じビジネス座席がよいですよね。
以前は、私だけビジネスクラス、同行者はエコノミークラスでソウルへ行ってました。しかし、
A.日程や体調など自信がないなぁと思う場合
B.荷物の重量がビジネス32キロ(荷物2個)以上ある場合
早期割引料金がビジネスクラスにもありますので、同行者をビジネスにする選択もありかと。
旅行を決めたら早めに予約しましょう。
早期割引料金はキャンセル時には手数料が要りますが、私の場合、「エアーマット、バッテリー充電器、エンシュアリキッド、移乗ツール、お土産」ビジネスクラス荷物許容量が多いこともビジネスを選ぶ理由です。
航空券予約は電話でもできる(発券手数料かかるが)
自分のクレジットカードでインターネット予約をする場合、自分の航空券代金は支払えても、同行者の航空券代金はWebでは支払えないんです。
本人名義のカードのみ有効。
マイレージ利用の自分と同行者予約と発券を同時にまとめてwebクレジット決済できなかったと思います。(ここは勉強不足、あるかもしれません)
コンビニ現金払いは数日内と支払い期限短いし、カードじゃないからマイレージもたまらない!この案は私的には即却下です。
電話で予約をすると「○○までに支払い発券しなけれ予約自動消滅」とおしえていただけるので、予約だけして期限内に旅行日程・ホテル空室チェックなど最終調整していきます。
電話窓口での航空券発券は2000円〜5000円(※会社による)の手数料がかかりますが、アシアナ航空のカードで支払えばポイント貯まるし、私と同行者を関連するメモを残すリクエストもできるので電話で予約しています。
注意:旅行会社での発券も手数料がかかります。
アシアナクラブの会員登録をwebでも済ませておくと、登録メールアドレスにE-TicketTが送られてきます。
確認とプリントアウトして、海外に持っていきます(帰国便・もしもに備えて)
注意ポイント
パスポートの姓名と同じアルファベット表記か
チケットに記載の氏名、日時、便名の確認
全員のパスポート期限が有効か
自分のできる行動力と、楽で得か、うーんと比較しながら考えてベターな方を選ぶことが重要です。
介護が必要なら『同行者を探す』『お願いする』
航空券でお金が要るなら『エアラインクレジットカードでマイル積み立て』
エアーマットが必要なら『レンタルで持参』
電動車いすのバッテリー『ドライバッテリー・航空機対応』
健常者の旅行概念から旅プランを構築しようとせず、自身で「自分の不安があること・モノを一つ一つ解決しながらプランすること」を私はオススメします。
不安なモノを一つ一つ解決する、代替案を考えるのは、電動車いす利用者なら得意なはず。
旅行の同行者も、電動車いすの場合、手動車いすを押す必要もないので疲労軽減というラクなメリットもあります。
次回は、電動車いす・利用しやすいHOTEL選びの予定です。^^♪