最終日のお昼、偶然の出会いが人生を変えた
2025年5月19日、午後。
それは「世界トップ10・日本トップ3の観光県を目指す!事業構想プロジェクト研究」の研究員申し込み公募の最終日でした。
お昼休み、ヘルパーさんの介護を受けながら何気なくSNSを見ていた時、目に飛び込んできたのは阿須賀さん(広島市産業振興センター創業支援コーディネータ)の投稿でした。阿須賀さんは、SOERU授賞式で初めてお会いして、現在も、創業支援の二次審査に向けサポートしていただいてますが、まさかこんな形で私の人生を変えるきっかけになるとは、思いもしませんでした。(ちょっと大げさ💦)
なぜなら~広島県、広島県観光連盟、三井不動産、事業構想大学院大学が共同で主催する、広島県を世界トップ10・国内トップ3の観光県にするプロジェクトの公募記事。
・・・私の妄想フラワーフェスを届けたかった広島県、観光連盟、開発不動産会社!全てそこに書いてあるじゃないですか~
その瞬間、時が止まったような感覚でした。
1分2分3分を争う慌ただしい日常の中で
その日の私は、いつものように入浴介護サービスのスケジュールに追われていて、1分2分3分を分刻みで展開する慌ただしい日常。要介護の立場で生活する私にとって、毎日は時間との戦いです。
でも、その投稿を見た瞬間、目が釘付けになって、心臓の鼓動が早くなるのを感じたほど。🔥🔥 推しの来日イベントの詳細を知った時と同じ感じ…と書くと少しは理解してもらえるでしょうか。
これは、運命だ。
そう確信した瞬間でした。
27年間温め続けた「妄想」が現実に一歩近づいた予感
広島に帰ってから27年間。
私の心の奥底には、ずっと一つの想いがありました。
「どこにいても参加できる広島フラワーフェスティバル」
高齢者も、障がい者も、遠方に住む人も、みんなが「見る側」ではなく「ホスト側」として参加できる。そんな観光と福祉をミックスさせた、誰もが主役になれる祭りの形。
周りの人には「妄想」と思われ、微笑み返されることばかり。でも、私には確信があります。英国の徹底したガーデニングやバラ、古いもの、伝統を守り抜くことで“いつか行ってみたい”と言った観光資源になっていること。
フラワーフェスという割には花がない。集客人数はあるけれど地元の人はなかなか行かない現実。どこかで新たな事業でリニューアルしていく…これは必要なことだ、いつか誰かが形にしてくれるはずだ、と。
時には「誰かやってよ」と心の中で叫びながら、でも諦めることなく、この構想を20年以上も温め続けていました。
1994年アジア大会の記憶が蘇った
投稿を見た瞬間、鮮明に蘇ったのは1994年のアジア大会の記憶でした。東京に住んでいて羽田に通勤していた頃。
広島空港から市内へ向かう高速道路沿いに植えられた、あの鮮やかな黄色い花々。車窓から見えるその光景に、私は心の底から「広島に歓迎されている」と感じて、“広島もセンスよくやるじゃない‼”と。(※紙屋町の交差点に手入れされていない白いプランターはいただけなかったけど。←よく覚えてる自分が恐ろしい・笑)
広島空港からの幸せを呼ぶ黄色の出迎えは素晴らしかった‼花が持つ力。色が持つ力。そして、それを用意してくれた人たちの温かい心。
これが私の「花で迎える観光構想」の原点でした。
その時の感動が、27年の時を経て、今まさに現実となろうとしている。そう感じた瞬間でした。
チャンス到来!でも時間がない...
「これはチャンス到来だ!」
そう思った一方で、現実は厳しいものでした。申し込み締切まで、あと数時間。慌ただしい雑用の合間を縫って、申し込み書類を準備しなければ~。個人調書、このプロジェクトに申し込む理由、どんな構想を持っているかビジョンやゴールetc...
でも、諦めるわけにはいきません。
27年間、心の奥底で燻り続けていた想いが、今まさに形になろうとしている。この機会を逃したら、きっと後悔する。そう思いました。
「もう近づけよう、実現させよう」
その想いが、私を動かしました。けれど、エクセルとワードのフォームが「あれ?れ?保存したのに」と慌てているもんだからゾッとする現象が起こってしまう。
大学院大学とか研究員の人たちが使っているものは、これまで使ってきたマイクロソフト物とは違うのか。あーと気弱になったことも正直に告白しておきます💦
要介護の立場だからこそ見えるもの
申し込み書類を書きながら、改めて思いました。
要介護の立場で生活する今の私だからこそ、「関われることの価値」を誰よりも強く実感している。外出が困難になった人々の気持ち、家族の想い、介護に携わる人たちの願い...とか。
従来の「見に行く観光」では届かない人たちがいる。でも、その人たちこそが、実は観光の最高のホストになれるのではないか。
「思いやりフラワーフェスティバル」
私が構想するこの仕組みは、単なる観光イベントではありません。観光と地域福祉を同時に活性化し、誰もが自宅にいながら「花でおもてなし」ができる。そんな革新的な仕組みです。
広島らしさを活かした仕組み
私の構想の核となるのは、毎年のテーマカラー制度です。
「カープの赤」「サンフレッチェの紫」「JTサンダースの緑」「ドラゴンフライズのオレンジ」
広島のスポーツや文化を象徴する色を使って、商店街も、公共施設も、そして各家庭も、その色の花や装飾でまちを彩る。
さらに素晴らしいのは、テーマカラーの決定によって世界中のファンも参加できるということ。海外にいても、広島に「参加」できるハイブリッドな仕組みも可能です。
「花で参加する」「色でつながる」
これこそが、関係人口の拡大にもつながる、新しい観光のモデルだと確信しています。
ギリギリ申し込み、そして合格通知
あの慌ただしい5月19日、ギリギリのタイミングで申し込みを完了しました。
その後の選考期間は、本当に長く感じました。もしかしたら...という期待と、でも現実は厳しいかもしれないという不安が交錯していました。
そして、「おめでとうございます」というご連絡をいただいた時の喜びは、今でも忘れられません。諦めなければ思いは形になって行く、改めてそう思いました。😊
研究員として認められた。27年間の想いが、ついに形になる時が来た。
世界を癒していく広島を目指して
このプロジェクトは、三井不動産の企業版ふるさと納税を財源として実施される、本当に意義深い研究会です。9ヶ月間、全20回のプログラムを通じて、私の構想をより具体的で実現可能な事業構想として磨き上げていきます。
私が目指すのは、「いくつになっても、どんな場所にいても、観光の主役になれる広島」です。
そして、その先にあるビジョンは、平和都市・広島が世界に先駆けて「高齢者のユニバーサルツーリズム」を実現し、県民みんなが家にいながら「花でおもてなし」をして、世界を癒していく社会の創造です。
阿須賀さんへの感謝、そしてこれから
阿須賀さんの投稿がなければ、この機会を逃していたかもしれません。SOERU授賞式での出会い、そしてあの日の投稿。すべてが必然だったような気がします。
60歳からの人生、これからが本番です。要介護の立場で生活する私だからこそできること、伝えられることがある。
27年間の「妄想」を、今度こそ現実のものにしていきます。
みんながホストになって世界を癒していく広島
その実現に向けて、全力で取り組んでいきます。
この記事は、2025年6月から始まる研究プログラムへの想いを込めて書きました。プロジェクトの進捗や研究内容については、今後も随時報告していきたいと思います。