こんにちは、西本理恵です。今日は、嬉しい報告があります。
(株)LITA主催による I’meビジネスコンテスト2024が3月20日に東京で行われ、ファイナリスト5名による最終ピッチが行われました。私は1次予選、2次予選を通過してファイナルに進み、大変光栄なことに最優秀賞を受賞いたしました。
私の新たな挑戦として、昨年ビジネスコンテストに応募した「遠隔介護」について、その背景、そしてこれからの展望についてお話ししたいと思います。
なぜ社会課題解決のビジネスコンテストに応募しようと思ったか
長い間、私は自分自身の介護と母の介護に奮闘してきました。(実は今日は、早くも3回忌法要でした。)
重度の関節リウマチという障害を持ちながら、母の認知症介護にも直面し、ダブル介護の日々を送っていました。2年前のこの頃は、いつ母と話せなくなるか、毎日、1時間1時間が分からない感じでした。転倒した後、ベッドで寝たきりになるかと思いましたが、付き添われてトイレに行けるまで回復していたのです。しかし、痰の排泄、全体の様子から「覚悟」「手順と予測」2つ3つその先のことも念頭において事業所や家族とのコミュニケーション、調べ物などをして準備していましたが、お別れは突然やってきました。
この経験は私に、介護に関わる困難や挑戦だけでなく、その中で見つけた希望や解決策についても多くのことを教えてくれました。
特に遠隔介護のアイデアは、そんな私の日常から生まれました。身体的な制約がある中で、どうすれば効果的に介護ができるのか、
10社以上の介護サービスと、20人のヘルパーをスマホ一台で10年間管理して、在宅での看取りまできた理由は、障害によって常に逆算して考え、決断と指示をすぐに行う癖が身についていたからです。いわゆる障害特性というものでしょうか。できないことで「できること」への集中力とスキルアップが本人にとっては普通のことになっていました。
この経験から、多くの人が介護保険を含む多様なサービスを、スマホを上手に利用すれば、遠隔地にいても、たとえ一緒に住んでいても仕事で忙しい場合、直接介護しなくても介護は可能であるという確信に至りました。
さらに模索する過程で、遠隔でのコミュニケーションツール(スマホ、FAX、PC)を駆使して、遠く離れた家族も介護プロセスに参加できる方法を考案しました。つまり、情報収集、マネージメントで介護に早期に関わっていくという考えです。
介護はできない、ではなく、解決するために「できることをする」という発想にシフトさせるのです。遠隔という捉え方は、機械を操作するとかそういうことではなく、Iotのスマホなどをうまく利用して介護マネジメントすることを指します。
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遠隔介護 - 60歳☆ワタシの人生これから!
介護・逆境・経験を活かした超高齢化社会ゼネラリスト
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離れていてもできる遠隔介護 ファミリーケアナビ
ビジネスコンテストに応募したプランタイトルと概要です。
プランタイトル
「離れていてもできる遠隔介護 ファミリーケアナビ 」
プラン概要
「遠隔介護マネジメントを核とした家族主導の計画と情報共有で、どこにいても介護参加を実現し、未来のケアと幸せを共に創る」
▼審査員
株式会社エアークローゼット
代表取締役社長 兼 CEO 天沼聰様
freee株式会社
起業時代統括マネージャー 磯貝美紀 様
障がい者みらい創造センター
理事長 竹内亜沙美様
相模女子大学大学院
社会起業研究科教授 金森剛様
一般社団法人まちはチームだ / 株式会社HOA
代表理事 代表取締役 岡秀樹様
ご多忙中にもかかわらずご臨席を賜り、経営者視点でのフィードバックと審査を行っていただきましたこと心より御礼申し上げます。ファイナリスト5名へのフィードバックは新たな着眼点を持つことができ大変ありがたかったです。
発表後は、すぐに「応援したい」赤いカード、「関心がある」シルバーのカード、「関心がない」白いカードの表示でファーストインプレッションを評価していただく仕組みです。そしてその理由を起業家目線で話してくださり、あなたがアイディアも提供していただいたりしました。ビジネスコンテストに参加してでファイナリストに残れた中で、ここが一番貴重な体験になったと個人的に思っています。
エアクローゼット(エアクロ)などベンチャー企業の代表や、社会課題の解決を担う組織の代表の方々が審査委員とてご着席頂いたことはこの上の喜びでした。株式会社LITAと代表の笹木郁乃さん、開催の関係者の信用構築とネットワークの広さを感じるものでもありました。
ファミリーケアナビの今後の展開
3月に、私たちのこのプロジェクト「ファミリーケアナビ」がビジネスコンテストのファイナリストに選ばれたことは、私たちにとって大きな意味がありました。それは、私の経験が単なる個人の戦いではなく、社会全体にとって有益な解決策になり得ると評価されたことを意味しています。
このプロジェクトを通じて、私たちが目指すのは、家族が中心となって、どんなに離れていても、愛する人のケアを可能にすることです。情報共有やプランニングを家族が主導し、遠隔介護マネジメントによって、どこにいても介護参加が実現できるようになります。
私たちの提案する方法は、3つの実践的ステップを習得して行きます。まず親のことを知ることから始め(ご自身やパートナーに置き換えて OK)家族内で情報をデジタル共有していく方法です。家族の相互理解と気持ちや願いを確認することも重要で、それらをうまくいかに上手に伝えることができるか、そこにも焦点を当てます。そんなことわかっていると思う小さなことに手をつけないでいると介護が後回しになりゴテゴテになっていくのです。
介護が必要な人々だけでなく、その家族にも、そして社会にも新たな可能性をもたらします。
2035年問題に向け準備を急がなくては!
ビジコンのファイナルピッチでは、日本の高齢者人口は約3584万人、そのうち介護認定を受けている人は約20%で、今後も介護需要は増大するのに対し、ヘルパー不足は深刻なことや、介護を受ける人とその家族の主な3つの問題や課題を伝えました。わたしの母への介護経験と知見を活かし、より多くの人を救うことができる方法はないかと考えたのです。
団塊世代の人たちが介護や医療をを受けるようになる2035年、つまり10年先のことを考えますと、国も自治体も家族も本人も、早期に何か準備ををしていく必要があるのです。難しくなく、前倒しに準備をして予防的発想にしていく必要があります。
私たちは普段みんなが使っているスマホ、LINE などを使いながらコミュニケーション強化と、おぼろげな介護プランを解決策「ファミリーケアナビ」セミナーを開発しました。
介護の新しい形を創り、社会に変革をもたらしましょう
「介護=重い負担」という古い認識を「先手必勝」「遠隔マネジメント」として再定義し、目標は、3000万人以上の日本の高齢者とその家族が、離れていても絆を強化し、介護の負担を軽減できる社会を実現することです。
今後、私たちはこのプロジェクトをさらに発展させ、より多くの人々が直面する介護の課題に対して、実用的な解決策を提供していきたいと考えています。遠隔介護がもたらす新しい可能性について、これからも皆さんと共に考え、学び、成長していきたいと思います。
みなさん、これからも私の旅にご同行いただければ幸いです。共に、家族の絆を深め、介護の新たな未来を創造していきましょう。
Episode1
昨年秋から新規事業のビジネスプラン構築を始めました。何度も中断し、ドロップアウトしそうになりました。2月の2次予選の2日前にはノートパソコンが壊れ、参加を断念しそうになりましたが、地域のお世話になっている電気屋さんとit の人が急いでデータを復元。新しいパソコンで事なきを得ました。
あの時、早々に諦めていたら、今の受賞の喜びはなかったですね😊
Episode2
今月10年以上お世話になったヘルパーの方がおやめになります。感謝しかなです。久々のヘルパー交代によるトレーニングが3月初めから毎日始まっています。
コロナ禍を経て気づいたことは、介護会社のヘルパーさんがいないということ。空気感がガラッと変わってるんです。ほぼ毎日の介護トレーニングでは、介護の手順を覚えてきてもらって実行してもらいますが、「うちではできません」と言われたらどうしよう、と退職のヘルパーさんも図太い私も気を使います💦