ハンディある状況(老々介護、遠方に住む親、独居)の介護保険の賢い利用方法と介護マネージメント
当サイトは、電動車いす利用の肢体不自由な娘が、高齢の母(認知症)を在宅介護しながら介護に関する情報発信をメインにしています。
私自身も特定疾患の慢性関節リュウマチで介護保険を利用していて、介護認定は最重度5です。しかし寝たきり状態であっても現在は知力と制度をフル活用して外出や旅行(海外)もしています。
日常生活のほとんどは「介護ヘルプ」で成り立っていますが、できない事から自分に「できること」「できるように考えること」に頭と心をシフトさせていくと、自分だけでなく家族も生活がうまく回り始め、鬱々とした日々に晴れ間も現れるようになりました。
生きていく上で必要な目的達成のために、介護の段取りの仕方・手段が一般的でなくても選んで進む…凹んだり悔しい思いは次の成功に繋げる、この繰り返しで得られたメソッドは、私のパワーとなり、遠隔介護と呼ぶことにしました。
Remote controlからヒントを得てRemoteCare、リモコンならぬリモケア?!って感じでしょうか(*^^)v
遠くに住む親の介護で悩んでいる方、近くでも事情がある人に、私がする口頭指示とメール、電話だけで各事業所と連絡を取り合うマネージメント方法=介護メソッドは使えるのではないかと思い、ブログで紹介していくことにしました。
介護は10人10色、100人いれば違うスタイル介護の仕方があり、介護に対する考えも異なります。
身体的・精神的・経済的・遠距離...自分に何らかのハンディーがあって、親や伴侶の介護で気が重くなっている方に対して、私は「ケアマネージャーや公的窓口で自分の特別な状況や願望を話して解決してもらいましょう・・」とは最初にお勧めしません。
長く介護を受けてきた経験から言えるのは、介護相談する前にまず準備すべきことがあり、コレをするかしないかで結果が違ってくるということです。
ココがポイント
相談内容をまとめたメモはありますか?
介護保険症のコピーなど、番号を目で確認していますか?
病歴・通院病院名・医師名・服薬名 メモしてありますか?
家族連絡先 住所もまとめてありますか
困っていることを簡潔に伝えられますか?
気になることを簡潔に伝えられますか?
年金や口座番号、経済的な把握はできていますか?
本人の希望や強いこだわりを理解できていますか?
これらの簡単な事例は、介護だけでなく終活にもつながるので、早く行動し始めると後々慌てなくてすみますね。
遠隔介護リモートケアとは?
家族が、事情があって親の介護ができない、したくない場合、介護サーヴィスを提供する事業所と連絡をしっかりするなら、それこそが介護になると言う考えです。
私が提案する遠隔介護・リモケアの重要事項は、介護される人の意思を尊重し、その人の情報を深く詳しくまとめることから先ず始めることです。
植物の植え方で例えるなら、苗は植え付ける前にできるだけ深い穴を掘り、性質に合う土と元肥、後で効果を発揮する有機腐葉土や堆肥を入れる基礎作りを手抜きしなければ、自然に根が張り、大きく育ちます。
病気や暴風雨も耐えられるほど丈夫です。※どれだけ反省・失敗してきたことか
介護も同じ。この他の多くの事も同様だと思いますが、特に何かしらハンディーある介護状況では、植物の自然の理にならって遠隔介護も「根本の成長、基礎を掘り返して整える作業、活かして生かす」 これです。
上手い人ほど怠らない
介護を受ける人の徹底した情報を集める
穴を大きく掘って土づくりをする=遠隔介護リモケアの最初にすべき事項は、介護を受ける人について徹底した情報作成になります。
親や家族のことは、知っているようで案外「なんだっけ?」だったりします。
リモケアを行う代理人家族の必須条件
介護を受ける人に代わって、リモケアを行う代理人家族は、海外、遠方にいても、メール FAX 電話 郵便を使うことが可能ならどこでもよいのです。
ケアマネジャーや区役所相談窓口の方が知りたいのは、相談者家族の詳しい情報です。相談する時間は限りがあり、少ない情報から助言をもらうよりも、多くを提示して全体像から判断した助言をもらいながら、自分たちで選択する方が良いと思うのです。
事前に準備した本人の情報を介護相談にうまく活用できるか、それが重要です。
遠隔介護の具体的な例
介護が必要になった時、一般的な流れとして
・地域包括支援センターに相談する
・ケアマネジャーにプラン作成
・事業所に介護をしてもらう
こんな感じだと思います。しかし、その前にしておくと時間も結果も変わる事例を私が入院中に行ったことで紹介していきます。
【介護依頼の前にしたこと】
手術などで長期入院になってしまい重度障害化した私は、退院後にもっと介護が必要だと判断して、自分自身で遠隔介護マネージメントしたケースです。
入院中は介護保険は利用できません。退院後は利用できるので、ケアマネージャーに退院の予定が何と無く分かった頃に連絡して状況・希望・悩みを伝えておきます。
【1.現状分析 状態把握】
医療関係者に「在宅生活は無理だ」とも言われました。無理もありません、脚の付け根から足首までギプスをして術後の骨が接合したばかりでした。
ベッドから車椅子に移れるようになっても、看護師4人でバスタオルごと「いちにいさん」ぴよ〜ん。病院内は安全第一ですから仕方ないです。4人がかりとなると昼間の人手が多い時だけは車椅子の座位が可能でしたが、朝夕、週末は無理。
※母の過日の入院時も同様、看護師さんが多忙なため、離床できないのです。
ベッドで寝たきりにされるのは嫌!なんとか自宅に戻りたいと自分で【目標設定】をしました。
バリアフリー改築をした家に帰って、母と猫と自分らしい暮らしがしたかったので、どうすれば在宅介護で生きていけるか、病院のベッドの上で解決方法を考えながら一つ一つ試すことにしました。
経済的・合理的な視点でも考察
介護保険の身体介護を2名体制で行うと、料金が倍になって支払い不能。介護ヘルパー1名で寝たきりの私を車椅子に移乗させてもらうにはどうすれば?どんな風に?安全性を確保するにはどうすればいい?
ベッド高さと同じで、ベッドのようにフラットになる車椅子はないかしら?
車椅子の肘置きアームも上下可動でき、アームが無い状態の車椅子なら、ヘルパーさんはベッドに横たわった私をシーツを引き寄せ動かすことができ、私も車椅子に移れるかもしれない?
車椅子のカタログを取り寄せよう!
【2.電話でカタログ取り寄せ】
病院から福祉器具レンタル会社にカタログを送ってもらうよう電話で依頼しました。
カタログが届いて車椅子の詳細を読むと、一つだけイメージぴったりのものがあって大喜び。それは片麻痺や全身性疾病の人用のものでした。
早速、全額負担で病院内レンタルさせてもらうよう手続きを済ませ、退院日を1ヶ月後に自分で勝手に設定しました。
【3.How to検証 】
リハビリの先生や入院中に自費でお願いしていたヘルパーさんに協力してもらいながら、ゴミ袋を身体の下に敷いて引っ張ってもらいましたが破れてしまって薄さと強度があるものが見つかりません。
思いつくものから実際に検証してみることが大事!
助成制度を利用 福祉器具
リハビリ室で偶然、車いす利用者がスライディングボードを使って移乗しているのを見かけ,これだ!と思い、在宅訪問介護に必要なものとしてケアマネジャーに電話連絡。助成制度を利用できるか、できなくても購入したい旨を伝え手続き申請をお願いしました。
ベッドから車椅子に移乗する時、横たわった身体の下に敷くシートは、ツルツルでも難しく、結局100円のレジャーシートが、サイズも強度もよく経済的なことも気に入ったので使用することにしました。
【4.訪問介護事業所に理解してもらう】
入院中にベッドの上で、退院に向けイメージした通りに車椅子をレンタルすることもでき、実践練習も済みました。
しかし、セルフ介護マネージメントをしても万々歳とはなりません。目途がついただけです。
なぜなら退院後に在宅訪問介護で生活できるだろうと自分だけが思っても、在宅で介護保険を使うには、ヘルパーさんを派遣してくれる訪問介護事業所が、理解して引き受けてもらわなくては全ては水の泡、私の在宅生活は実現しないのです。
サーヴィス受け上手になる
ケアマネージャーと介護会社の理解や同意をとりつけるには、
1.車椅子、シート、スライディングボードを用意したこと
2.一人介助でベッド→車椅子へ移乗できること
3.フラットにした車いすをベッド横に隙間なく置くと安全
上記のことを誠意をもって説明しました。
私が入院中に「家に帰りたい」と希望だけを当時のケアマネジャーに伝え、相談することから始めていた場合、おそらく在宅生活は却下されていたことでしょう。
施設を勧められることを恐れ、それならば自分で何とか帰宅できるような方法を見つけよう!と病院内でセルフ介護マネージメントをしたから介護関係者を説得できたのです。
手術入院したリハビリテーション病院は、家から遠い所にあったため、ケアマネ、介護事業所、福祉レンタル会社とは、病院内から電話とFAX 郵便のやり取りだけで進める、それで十分でした。
自分自身に「家に帰りたい」という強い意志がありました。他人様に自分の人生を決められるなんて嫌だ!と当時も今も変わらずあります。!(^^)!
自分たち主導の遠隔介護リモケア
ココが重要
介護が必要な本人と家族が主体です。介護が要るというだけで、医療関係者やケアマネに自分たちのLIFEと生活の仕方を決定づけられたり、任せ過ぎないよう注意しましょう。あくまでも専門職・医療サーヴィスの利用と捉えて上手く利用すること。遠隔介護側の主導、信条はキープし続けること
介護保険制度が始まって約20年。
利用できる介護サーヴィスは増え
いくらでも介護情報はインターネット上にあります。
多すぎて逆に読む気が失せることも…
変わらないのは、介護される人の人生履歴・病歴などデーターです。
これは自分たちで作成準備できる(すべき)もので、お金もかからない介護の最強の基本部分となります。
情報や履歴は電子化
相談するたびに書類に記入するか質問に答えるのは、双方にとっても効率よいものではありませんから、自分たちの情報や履歴は電子化してメールや印刷できるようにしておきましょう。
その情報を有意義に介護関係者に提示することで、より良い選択に結びつくようになります。
自分たち家族が主体の介護マネージメントスキルを身につけると、介護を受ける本人も適切な対応と環境に身を置けますし、代理人である遠隔介護者も時間と費用を使わなくてすみます。
とりわけ、ハンディがある状況(老々介護、親が遠くに住んでいる、独居)そんな方のヒントになれば嬉しいです。
今後も「遠隔介護」「介護マネージメント」のコツを紹介します。