認知症の母の鼻にできた基底細胞癌を切除手術した時に、高齢者の入院手術のリスクや、皮膚移植しないで湿潤療法を選んだことについて紹介します。
母の鼻の頭が長い間ピンク色だった。痛くも痒くもないという。
10年近く、鼻の頭が蚊に刺されたようにピンク色。それがだんだんと大きくなり、通院中の内科医、皮膚科の先生にも「何でしょうかね?」と診療時に話していましたが、ずっと放置したまま。
基底細胞癌は黒色だけでなく赤ピンクもある
時々血が出て傷ができるのは、母が触っているからだ、と誰もが思っていた。
やはりおかしい…2016年秋、大きな病院で診てもらったところ基底細胞癌だった。
実は10年前もホクロのようなものが顎にでき基底細胞癌。形が崩れて大きくなって受診&切除している。
しかし今回は色が黒くなく、ピンク色がぼやけて大きめだったので、紫外線による基底細胞癌とは思わなかったのだ。
基底細胞癌は、黒色だけでなく赤ピンクもあるんですよ (by ドクター)
このことを市民病院の受診で初めて知り、母の鼻全部が基底細胞癌@@…鼻がなくなっちゃうわ!おかあちゃま。私は絶句して固まってしまった。
医療機関の車椅子受診・対応
診察室が広くて入りやすいと良いのですが…
ガン告知と手術説明のため私も同席を求められ、母には母のヘルパー、私には私の介助者…車椅子2名と介助者2名で受診。狭い診察エリアに入るのも一苦労。(私のヘルパーさんは外で待機)入っても医師と顔を見ながら話せる位置ではなく、先生の真横に私がま逆を向いて居るのがやっと。説明部位も見えなくて聞くだけでしたが、入れて良かった。
今後、日本は高齢者の車椅子利用の受診が増えると思うので、医療機関のトイレ広さと動線の配慮に期待したい。
医療機関は柔軟な考慮対応などソフト面で。大手ゼネコン設計者は、間口、通路幅を、自分が想定する以上に!お願いします。
話は戻り、病院から、2016年12月9日に手術、
入院して、(切除後にがん細胞残っていないか判明)後に皮膚移植…
1か月以上の手術入院を提案されました。
入院せず通院治療できないでしょうか?(わたし)
うーん 出血があることもあるから…(医師)
……。
医師に患者サイドからの希望を伝えるのって、ほんと難しいですよね。
高齢者の入院は、リスク大
母の入院は一泊にして、術後の様子だけを看ていただくことにました。
在宅で通院しながら治療を希望したのは、認知症が進むから。
以前インフルエンザで一か月入院して大変なことに。足が弱って歩けなくなり、認知が大幅ダウンした後、訪問介護スタッフのご尽力により、やっと一人でトイレに行けるまでになったばかりだった。高齢者の入院のリスクを考えた選択も大切だと思います。
もし高齢な親の病気手術と入院を相談されたら、通院できるなら入院は最低限に!とアドヴァイスしたい。
理由は、高齢であれば、入院前は歩いてトイレに行ける脚力も、ベッド横にポータブルトイレや(徘徊防止)センサーマットを置かれて脚力体力はあっという間に落ちるからです。退院後、入院目的の疾病は治ったけど…認知症が進んだ、歩けなくなった…よく聞く話です。実際うちの母も退院後トイレに行けるまで1年。1年以上で、しかも元通りにはならず認知症も加速。入院を拒んで通院治療にした一番の理由。
皮膚移植しないで湿潤療法
鼻の手術日は、母の通院でお世話になっている介護ヘルパー※介護会社の身体自費サーヴィス利用。
切除した3㎝弱の穴の傷は痛々しいけど、本人はそうでもないようでした。キズよりも入院1泊でも認知症がアレレ??になって驚き、むしろ認知のほうが心配になる。認知症高齢者の入院は非日常で混乱するようです。
皮膚移植を後日することにも、入院することにも同意したくない。
何か良い方法はないか…
以前、自分の皮膚トラブルで「新しい創傷治療」という医師のサイトを読んだことを思い出し検索。
湿潤療法でやけど、傷を治す膨大なログがあり、目からウロコ!
湿潤療法の概念を、目からウロコ!の「新しい創傷治療」で、サイト内検索して勉強すればするほど、皮膚移植する必要性を感じなくなったのです。
皮膚移植手術はしない!
ーーーーーーー写真添付して上記のサイトへメール相談
基底細胞癌 12月9日手術
年齢 87歳
現在 術後2週間 抜糸済み 通院治療中 皮膚移植を予定
肉が盛れば皮膚移植はしたくないと母も私も考えていること。
認知もあり、歩行が困難で、移植術後1週間の入院が、現在の母の全体健康レベルを下げそうで、
私と主治医とで術前に協議予定
プラスモイストが手元にあるので変更したい。
血が少し出ているので水で毎日流して、皮膚らしきものができれば移植しない。。。
すると 直ぐに お返事をくださり、私の迷いが吹っ切れた!今も思い出す度ジーンとする感動のクリスマスプレゼント☆彡メール。
先生&貴重なHPに、心より感謝申し上げます。
湿潤療法と経過
目からウロコ!の「新しい創傷治療」
ハイドロコロイドの被膜パッドは キズパワーパッドなどでお馴染みのものとして薬局で買えます。
自分用にアマゾンでプラスモイストという商品を買ってあったので、母の鼻のガーゼ保護から創表面をプラスモイストで保護するよう変更。抗生剤軟膏も塗らないで、ハイドロコロイドはるだけにしました。
信じられないけど、老人でも細胞の再生可能エネルギーはすごい。
だれもが切除後、消毒、薬、ガーゼが良いとすり込まれている。
母の鼻にも抜糸後は病院でガーゼとテープ処置・・・剥がすのが痛くて大変そうでした。くっついてて。
カサブタをつくってはダメとか、湿潤させるのが良いとは思えないですよね。
乾かしてはダメなんです。
甥や姪にも貼り換えを手伝ってもらいました。きれいな水・水道水で流して、しっかりと貼るだけ。
12月9日切除 3㎝円形@鼻
完全に上皮化、翌月末
・・・あれから1年
小鼻側の被膜パッドが難しかったので、少しひきつれがありますが、キレイに治っています。皮膚移植は、胸やお腹から切はがす他の深い真っ赤な創表面ができるということで、植皮をした場合、また違うリスクもあったと思います。
母の基底細胞癌でわかったこと、変わったこと
- 基底細胞癌は黒色だけでなく赤色ピンク色もある
- 皮膚移植しなくても、ゆっくり上皮化も選択可
- 高齢者の、特に認知症の入院治療は最優先することを熟考
- 紫外線対策は大切!
- カサブタをつくってはダメ(乾かしてはいけない)
- マキロン、消毒は細胞再生・上皮化を遅らせる
- 猫や犬嚙まれたら病院で!表面キズを治して閉じてはいけない
- 創表面をプラスモイストやハイドロコロイドで保護する湿潤療法
- ズイコウパッドがエコノミー&使いやすくおすすめ
- 指先ひび割れ切り傷は、ズイコウパッドで一晩。(byヘルパーさん)
プルメリア
レイに使われる香り良い花。