2019.10月から2%の消費税と6.3%アップの特定処遇改善加算の支払いが増えて重なります。トホホ((+_+))
訪問介護は、利用中の事業所規模が大きいと6.3%アップ、消費税と合わせると8%増加ですね。
5社の介護事業所にお世話になっていますが、そのうち4社が最上級の特定処遇加算を追加するときた。ノーと言えないからつらい。
特定処遇改善加算と、既存の処遇改善加算と何が違うの?
これまでも介護保険利用者は処遇改善加算という名目で支払ってきました。
介護福祉士の平均給与は、看護師や理学療法士に比べて5万円以上も安いのです。
人材が集まらない理由の一つと考えられています。
そこで厚生省は、介護食の給与を引き上げて介護ヘルパーを増やそう、人材育成しようと「特定」の2文字足した処遇改善の新規提案をしたわけです。(財源は利用者からも)
ヘルパーさんあっての介護生活なので支払うのは仕方ないのですが、まんべんなく給与がアップするのではなく、10年以上の経験あるリーダー的な方を特に優遇していこうというのが個人的には気に入りません。(各事業所の利益と方針で配分手当ですべき)
介護事業所がすべてこの新規加算制度を利用するというわけではありません。
理由は、この制度を利用するには社内条件を整える必要があり、必ず給与や昇給にしか使えない、しかも差別化しなくてはならないルールもあるからです。
わが家の特定処遇改善加算
現在私は、訪問介護を受け、5社の介護事業所にお世話になっていますが、そのうち4社が最上級の特定処遇改善加算を追加します、と口頭で先ず連絡してきました。後に書面による説明があったのは2社のみ。
介護
マイオピニオン
■介護会社といっても利潤追求の企業です。(社会福祉の理念と資本主義は相いれるのか?!)
介護事業所がたくさんできたのに、統廃合する会社も多い理由は、起業できても介護経験より「経営」の経験がないこと、人件費がかかるうえ損益分岐点より多い売上高が安定的に見込めず、介護報酬キャッシュフローが足りないとすぐに赤字転落し資本金を使い込むことではないかと推察します。
介護報酬は2か月後に入ります。ヘルパーが確保できないと仕事を受けられず、収益は増えない・・・というジレンマ。利益を出すために人件費を抑制すると、ヘルパーは不満・離職=減収の負のスパイラルに陥る。
物品販売とは違って、介護サーヴィスというのは人と人との間でサーヴィスが成り立つため人材不足は深刻な問題です。身体介護では介護度1〜5のうち5が重度で報酬額も多い。しかし、身体介護4や5の仕事を受けるには、派遣できるヘルパーのスキルと人数が足りてのことです。
今回の6.3%特定処遇改善加算がとれる条件は、この重度介護度の利用者が一定の割合でいる会社とも言えます。低い方は4.2%特定処遇改善加算
注意ポイント
6.3%特定処遇改善加算Ⅰ+(現行)13.7%処遇改善加算=20.0%
4.2%特定処遇改善加算Ⅱ+(現行)10.0%処遇改善加算=14.2%
長年介護をうけている利用者の立場で感じていることは、訪問介護のヘルパーさん、特にハードな身体介護ができるヘルパーさんが減ってきているということでしょうか。パート登録ヘルパーさんも扶養内で無理なく仕事したい人が多いそうです。
19年前から始まった介護保険制度。
当時介護職に就いた40代の人達は高年齢化して身体介護がしんどくなるうえ、年々書類整備など事務仕事やパソコン入力も増えて離職傾向にあるのでは?と推測中。
多くの若い人達には「介護業種」は給与も内容も魅力的な職業ではないようです。特に在宅介護は、生活の知恵と普段から家事をこなせていないと難しいことが多い(満足なサーヴィス提供ができない)
戦後のベビーブーム時代の人達が介護を必要とする10年後を見据えて介護就労者を増やさないといけなかった…という時期が今なのかもしれません。特定処遇改善加算を6.3%アップすることは仕方ないわね、としぶしぶ納得ですが、内容とルールが良いかは疑問が残ります。
厚生省は、介護従事者を増やしたいと思うなら、賃金改善だけでなくヘルパ―初任者研修など入り口の間口を広く助成で安くするとか、介護福祉士(サーヴィス提供責任者)事業所の書類負担を減らす工夫、支援経過の紙媒体から統一電子化とか他の方法でサポートするのはどうだろうか。現状は正社員のサーヴィス提供責任者の負担が大きすぎ!
■介護企業内の昇給や賃金格差を作り出すのに、利用者からのお金をあてにするとはどうなの。経営の問題?
友人が「在宅訪問介護の方がお金がかかるのではないか」と将来のことを話した時、施設入所の方がトータルで安い印象が世間一般にはあるのか!と驚いたことがあります。
【今後、他業種(金融)から参入し介護会社の経営も】
今日は簡単にしか触れませんが、介護業界は他業種からのM&Aが盛んです。超高齢化社会を見据えてホットな面もあります。
損保ジャパンのリストラスキームに介護事業が使われ、いきなり介護職へ発令されて自主退職選択=会社は(*^^)v???というニュースに驚きました。
大きな介護会社は、医療法人と訪問介護・居宅介護事業(ケアマネジャー)から始まって、箱もの施設など新規事業で拡大していったパターンがあると思います。訪問介護だけの事業所は、独自のカラーを打ち出しヘルパ―育成と人件費を惜しまず評判が良ければ経営も安定するでしょうが、報酬の引き下げで大きな発展は難しいでしょう。
第三のパターンが(施設の量的規制があるため)他業種から介護企業買収という形で再編成されていくと予測しています。損保ジャパンが200億で不人気な介護会社を買収 する(シナジー効果)一部リストラ対象者に介護事業への異動通知を発令。4,000人の多くは何処へ?
良く書かれた記事を紹介します。他業種(金融)からの参入は経営強化になるかもしれませんが、高齢施設とか、お金がある高齢者をターゲットにした企業買収になりそうです。
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損保ジャパンと介護事業買収
多くの支社や営業所、グループ会社を抱える大企業には独自の「裏技」がある。その顕著な事例が、今回「損保ジャパン日本興亜の4000人削減計画」によって大きな話題となった「系列会社への転属」である。この事例 ...
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■ヘルパーさん皆さんに平等に配分されずに一握りの人(リーダー)に配分されるならイヤだー(払いたくない!本音)
現行の処遇改善加算の全部がヘルパーさんなどに行くわけでは無いのです。(ここが問題)利用者の立場から言えば、いつもお世話になっていて感謝しているヘルパーさんに支払う分の全てが行けばいいのにと思いますが…実態はそうではありません。グレー
以下のことを読んで「介護保険の今・将来」をボヤ〜とでも感じてみてくださいね。
介護保険制度は次から次へと変わります。
家事の報酬額は減り、身体介護ができる事業所や子供デイサーヴィスなど増やしたい部分に加算点数を上げ、国全体のバランスをとっています。その考えでいうと、今回の訪問介護や深夜訪問の特定処遇改善加算を高くしたことで、今後の在宅介護ヘルパ―離職が減ると良いですね。
私はこうしてBlogで考えを言えますが、高齢者の人達は(徴収)同意書にサインしてもよくわからないと思いますし、意見もなかなか言えないはずです。
特定処遇改善加算の条件 (厚生省の説明)
研修などを受けていること
賃金体系を明確にして昇給させていること
職務内容や職責の差別化で給与を変える事などが条件。
経験や技能が高い介護職員の中で月80,000円の処遇改善となること、あるいは1年の収入見込み額が4,400,000円を超える人がいること
経験技能がある介護職員の平均引き上げ額をその他の介護職員の2倍にすること
(↑ヘルパーさんの不満で離職にならないか心配だわ)
【分配ルール】
経験技能がある介護職員>2倍>その他の介護職員>2倍>他職員
このような条件が付いてます。
いろんな問い合わせがあったからか、厚生省は勤続10年以上の条件についてトーンダウンし、判断は事業者の裁量もオッケーにして10年に足りない人でも独自の能力評価に基づいて加算対象にして認めています。
前の会社からのキャリア合算、新事業所が設立から10年経たない場合もあるわけで、縛り条件がきついと制度利用申請できない会社もでてきますよね。
今回の処遇改善6.3%UPができる介護会社は、介護保険の特定事業所加算20パーセント増しの報酬も受けている会社が大半です。
介護会社は条件をクリアして、事業所加算を受け取り、処遇改善加算も受け取り、さらに今回の特定処遇改善加算を利用者から受け取って事業安定させていく・・・介護事業所も格差が大きくなっています。(実感)
悩ましい問題がまた起こりますが、いかんせん介護を受けなくてはいけないので、しばらくは今までお願いしている介護会社に続けてもらうしか仕方がありません。
私がケアマネジャーで、独り暮らしの高齢者の介護プランを考えるならば、加算でいちサーヴィス単価が2割増しになるなら、緩やかに利用する事業所を特定処遇改善加算や特定事業所加算がないところに変更して、差額の金額で介護回数を増やします。
1万円の介護利用枠で3000円の介護の場合
A社 3600円/1回・・・2回/1週間(オーバーは自費)
B社 3000円/1回・・・3回/1週間
C社 3300円/1回・・・3回/1週間
ケアマネジャーでなくても、介護保険を利用している家族は、回数重視で配分や変更を検討すべきだと思います。