目次
4. どのウェブサイトでも使える!音声入力サブスクリプション
6. まとめ
手が動かなくなった日から始まった、ICTとの付き合い
タイピングが、だんだんできなくなっていく
関節リウマチが進行するにつれて、指先の自由が少しずつ失われていきました。
最初は「ちょっと痛い」だけでした。キーボードを打つのが遅くなり、マウスを動かすと肩がしびれ、気づいたときには「一行打つのに何分もかかる日」が当たり前になっていました。
「発信したい。記録を残したい。連絡を取りたい。」
でも、手が動かない。
そのため、体が不自由になって初めて、「当たり前に使えていたもの」がいかに貴重だったかを、身をもって知りました。
「ヘイ、シリ」——その言葉が、私の世界を変えた
転機になったのは、iPhoneの「Hey Siri」でした。

「ヘイ、シリ」と声をかけるだけで、スマートフォンがフル稼働します。電話をかけることも、メッセージの送信も、タイマーのセットも——すべて声ひとつで完了するのです。
手を一切使わなくていいのです。
要介護5で電動車椅子に乗っている私にとって、これがどれほど革命的だったか——使ったことのない方には、想像してみてほしいのです。指先が動かない日でも、声さえ出れば、スマートフォンの全機能が使えるのです。
たとえば、こんな言葉をよく使います。
「Hey Siri、○○にメッセージを送って」
「Hey Siri、○○にメッセージを読んで もう1回読んで」
電話をかけたいときは「○○ケアマネさんに電話して」、メモを残したいときは「今日のことを記録して」と話しかけるだけです。
つまり、声一つで全部動いてくれるのです。何かの事情でスマホ操作が難しくなったり見えなくなった時にiPhoneを使うという発想を持ち合わせて欲しいです。そして使ってみてください。😊
iPhone の良さが一番よくわかるのは、視覚障害、体がうまく使えなくてもアクセシビリティで設定さえすれば、いつでもホーム画面に戻れるようにもできることです。
ヘルパーの方が iPhone を使っている割合は半分半分。(うちの場合)
使ってない方に私が説明しようにも、日頃スマホを使ってない私はうまく説明できず💦と言った場合、
「黒いドラッグできる小さな丸をタップして」
「ホームと書いてあるところ」
と伝えるだけで、アイコンが並んだホーム画面に行けるのです。
そこに行けば、スマホで普段使うアイコンは全てありますからね👍👍大丈夫!
iPhone の体が不自由な人だけでなく、音声入力も含め直感的に操作できる設計には、心から感謝を。💕小さなモバイルに電話・インターネット・音楽・パソコンがなくてもあらゆることができるよう大きなビジョンにインクルーシブな想いが込められていることに感動するのです。
「どんな良いものを作っても伝わらなければないのと同じ」とおっしゃったスティーブ・ジョブス氏の引き算の美学の中に、直感的なUIで誰もが使えることが重視されていたことが本当にありがたい。不便な暮らしの中でどれだけ助けられていることか。
介護の現場で学んだ「連絡ツールの使い分け」
介護サービス時間は「時は金なり」——電話ができない理由
体が不自由になってから、一つ、とても重要なことを学びました。
介護サービスの時間は、「時間サービスの提供」なのです。
どういうことかと言うと、ヘルパーさんの滞在時間は決まっているから、1時間なら1時間以内に身体介護(トイレに行く、服を着替える、ご飯を食べる)家事援助なら、(掃除、調理、洗濯、ゴミ出し、消毒)など介護計画にあることをしてもらいます。
また、介護は全て予定通りには行かなくて、体調不良だったり、何かが壊れたり、虫が飛んで入ってきたりするので、何かを中止してもらって、必要なことを時間内に終わらせると思っておきましょう。
ヘルパーさんがお風呂の介助をしている時間、体を拭いてもらっている時間、着替えを手伝ってもらっている時間——この間に、外部からの電話は受けられません。ヘルパーさんの手を止めることはできないし、私自身も体を動かしている最中です。
「ちょっと待って、電話に出るから」というわけにはいかないのです。
(介護の手を止めなくて済む状況下では、胸の上に置いてもらって話すことも時々)
しかし、これを外の人(かけてきた人)にお伝えできないんです。「なんで出ないの?」「なんで返事が遅いの?」と、悪意なく思う方もいるかもしれません。(まあ、仕方ないね!って軽く思うにかぎる)
だから私は、はっきりルールを決めました。
介護サービス時間中の外部連絡は、電話ではなくSMSとメールで行う。
これが私の基本方針です。自分自身もよく覚えてなかったり、アレレですから💦
SMS・メール・電話——3つのツールの使い分けルール
体が不自由になって20年以上、私が実践してきた連絡ツールの使い分けはシンプルです。
SMS(ショートメッセージ)——短く、確実に、記録を残す
まず、SMSは「短い・重要・証跡が残る」ものに使います。
介護記録の要点、確認事項、急ぎの連絡——これらを、短い文章でSMSに残していくのです。
なぜSMSか。理由は二つあります。
一つ目は、相手もすぐ読める。
電話のように「今話せる?」という配慮が不要で、相手の都合のいいときに読んでもらえる。
二つ目は、そして最も大切なことですが——記録が残ることです。
介護の現場では、「言った言わない」が必ず起きます。
「あのとき、こうお願いしましたよね」
「いいえ、そんな話は聞いていません」——介護サービスや医療の場では、このやり取りが本当に頻繁に起きるのです。
口頭だけでは、記録が残りません。でもSMSなら、お互いのスマートフォンにそのまま記録が残ります。いつ、誰が、何を伝えたか——全部、後から確認できる。
そのため、ケアマネさんとのやり取りも、ヘルパー事業所との連絡も、私はできる限りSMSに残すようにしています。「確認のため、先ほどの内容をSMSでも送りますね」——このひと言を添える習慣が、後々の行き違いを防いでくれます。
「本日のサービス時間中は連絡が取れません。急ぎの場合はSMSへ」——これを最初にお伝えしておくだけで、関係がぐっとスムーズになりました。
メール——説明・依頼・交渉はここで
一方で、事情の説明、お願いごと、複雑な調整——これらは全てメールで行います。
体が不自由だと、電話で長い説明をするのがとても大変です。声を出し続けるのも疲れるし、相手の反応に即座に答えるのも難しい。
メールなら、自分のペースで書ける。音声入力で作れる。送る前に確認できる。相手も読み返せる。
ケアマネさん、訪問看護師さん、各種事業所との連絡——私のメールのほとんどは、音声入力で書いています。
「口で話すことはメールで書ける、メールで書けることは口で話せる」——これが私の鉄則です。
実際に私は、弁護士と1年以上にわたって全てメールだけで裁判を戦ったことがあります。当時はまだキーボードが打てていたので、毎晩夕食後の3時間だけパソコンに向かい、証拠を整理し、細かいやり取りを全て文章で残しました。その話は「父と宿題 わくわくアパート建設」に書いています。あの経験があるから、「重要なことは必ず文章に残す」というルールが今の私の軸になっているのです。
電話——緊急時と、温度が必要な時だけ
そして、電話は緊急時と「声の温度」が必要なときだけ使います。
「電話が一番早い」と思われがちですが、体が不自由な私には、電話は一番体力を使うツールです。だからこそ、本当に必要なときにだけ、丁寧に使います。
どのウェブサイトでも使える!音声入力サブスクリプション
ブラウザ上でも音声入力できる時代
iPhoneのSiriだけでなく、年間のサブスクリプション契約で、パソコンのブラウザ上でも音声入力ができるサービスがあります。
どのウェブサイトを開いていても、マイクに向かって話すだけで文字が入力できる。メールの作成画面でも、WordPressの投稿画面でも、SNSの投稿欄でも——どこでも声で入力できるのです。
手が動かない私にとって、これは「キーボードがなくてもパソコンが使える」ということです。
私が使っているのは「Voice In(ボイスイン)」というChromeの拡張機能です。年間契約のPlus版にすれば、Chromeで開いているどのページでも音声入力ができます。WordPressの投稿画面でも、Gmailでも、SNSの入力欄でも——どこでもマイクに話しかけるだけで文字が入力されていきます。
私の音声入力の使い方
具体的にどう使っているかというと——
朝起きたら、「Hey Siri、今日のメモ、ヘルパーさんとの確認事項追加して」とiPhoneに話しかける。
パソコンでメールを書くときは、音声入力サービスをオンにして、マイクに向かって話す。
このブログも、ほとんどが音声入力で作っています。キーボードを使う時間は、以前の10分の1以下になりました。
音声入力とAIを組み合わせた使い方については「AIを使えば体が不自由でも大丈夫!音声入力×Claude Codeで生活・仕事を自動化した話」もあわせて読んでみてください。
ICTと音声入力で変わった、私の毎日
体が不自由になることは、多くのものを奪っていくように見えます。でも、ICTと音声入力が普及した今の時代は違います。
手が動かなくても、声さえあれば動ける。
また、介護サービス中で電話に出られない時間帯でも、SMSとメールがあれば確実に繋がれる。
さらに、外出が難しくても、オンラインで仕事を続けられる。
つまり、これは私が「工夫してなんとかしている」のではなく、今の時代に当たり前に使えるツールを、ただ自分の状況に合わせて使っているだけのことです。
体が不自由だから諦める——そんな時代は、もう終わっています。
遠隔介護の仕組みについては「遠隔介護リモケアについて」でも詳しく書いています。介護される側の私が、どうやって介護の「仕組み」を作ってきたか、あわせて読んでもらえると嬉しいです。
iPhoneのアクセシビリティ機能についてはApple公式のアクセシビリティページも参考になります。
まとめ:体が不自由な方へ、今すぐ試してほしい3つのこと
まず、「Hey Siri」を設定して、声でスマートフォンを動かしてみてください。
次に、急ぎの連絡はSMS、詳細な依頼はメール——この使い分けをルール化してみてください。
そして最後に、音声入力サービスを試してみてください。パソコンでもブラウザでも、声で入力できる時代です。
一つひとつは小さな変化です。でも、積み重なると、毎日の負担が全然違ってきます。
道具を使うことは、弱さじゃない。賢さです。
この記事は音声入力とClaude Codeを活用しながら、私自身の体験をもとに書きました。